■ハーフエルフ設定
in野営。イギリスは、一緒に寝てられるか、と森に入っていきます。
苦笑いしつつ、心配はしない面々。(半分エルフだし)
しかし、朝を随分すぎてもイギリスが戻らない。そんなことは一度もなかったのに。
さすがに心配になって森にわけいるが・・・
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「なん、で・・・攻撃うけてんだよっ」
ビュンビュンとうなる様に襲い掛かる枝をよけ、フランスが叫んだ。
ドイツはヴェネチアーノをかばい、絡み付こうとする蔦を一刀両断にする。
いまや、すべてのメンバーが木・・・森から攻撃をうけていた。
「どうやら、私たちを前に進ませたくないようですね」
「つまり、この奥にイギリスがいるってか」
はじめは、迷子になるだけだった。
何度わけいっても、気づけば、元の入り口に戻っている。
そこで日本が術をつかい、イギリスの気配を追って森に入ったところ・・・この有様だった。
「火を、つかいます・・・っ」
もはや一歩も進むことができないどころか、身の危険を感じる事態に、
意を決して日本が叫ぶ。
「でも・・・っ」
本来なら、動植物を傷つけることを嫌う彼の気持ちを慮ってヴェネチアーノの静止の声がとんだが、彼は戸惑わなかった。
「イギリスさんが心配です」
符がとび、行く手を阻む枝々を焼いた。
その援護に魔法を纏ったフランスの剣が閃く。
そうして、切り開いた目の前に現れたのはたしかにイギリスだった。
彼のからだのいたるところに蔦が絡み、枝々が守るように腕を伸ばしている。
その中で幼子のように眠るイギリス。
「イギリス・・・!」
思わず名を呼んだフランスの声が契機だった。
火を恐れ退いていた枝が、一斉にのび、再び攻撃を繰り出してきたのだ。
「うわっ」
「ヴェネチアーノっ」
一度に何本もの枝が絡み合い、まわりが焼け落ちようとも、炎の中を突き進む。
捨て身の攻撃に、ヴェネチアーノの体が巻き取られた。
それに気をとられ、ドイツもまたその身の自由を奪われる。
「く・・・っ」
フランスもつかまることは避けていたものの、無傷ではすまなかった。
ちらりと日本をみれば、同じ状況で。眉間にしわが浮いている。
怪我のせいだけではない。
彼は知っていた。これ以上の攻撃をうければ、もはや手加減はできなくなる。
森を、焼き払わなくてはならなくなる。
「イギリス・・・!ぐーすかねてんじゃねぇ!
てめぇがねてると、こいつら焼け焦げになるぞ・・・!」
ピクリ、とエルフの耳が動いた気がしたのは目の錯覚だろうか。
「イギリス、おきろ!」
「イギリスさん!」
なにが彼の心の琴線にふれたのだろうか。ゆっくりのその瞼がひらいた。
ぱちぱちと目がまばたく。
「っなんだこれ・・・!?」
あわてた――けれどいつもの声に、心が震えたことをフランスは自覚した。
そこまで心配していたなんて気づきたくもなかったのだけれど。
「いいから、とめろ!現状をみろ、ばか!」
「ばかっていうんじゃねぇ、性騎士!」
売り言葉に買い言葉。よく現状を認識していなくとも、ポンポン言葉が返ってくる。
パチリと、またまばたいた。
寝起きの幼い顔が一転、戦士の顔にかわる。
けれど、それもまた一瞬のことで、その顔が、ふ、と苦笑した。
「ばかだな」
そっと手を伸ばして、枝に触れる。口付ける。
「・・・・大丈夫だ。滅ぼさせはしない。
絶対に」
ぴたり、と攻撃が止んだ。
拘束していた枝から、力が抜け、ずるりと、人間たちの体が地に落ちる。
「あてっ」
身軽に大地におりたったイギリスはそんな彼らをみて、苦笑いとも嘲笑ともつかない笑みを浮かべ(フランスに対しては間違いなく嘲笑だ。絶対に)、「あやまらねぇぞ」といった。
「あやまらないし、あやまらせない」
ひたりと、ドイツの剣に施された協会の印を見据えてそういいきった彼に
誰も何もいえなかった。
ふわり、とイギリスの手に緑の光が宿る。
ばかだな、と彼は言った。
炎をつきすすんでは、意味はないだろうと、今度こそ苦笑いを浮かべ、
その光を木に添える。
光が波紋状に広がり木を満たす様をフランスは不思議な気持ちで見守った。
穏やかな顔つきの彼は、いつも小競り合いを繰り返す子供と同一人物とは思えない。
もっとも、おもいかえしてみれば、さっきの熟睡した子供の顔も一度たりとて見たことはなかったのだが。
「どうして、お前はとらわれ、俺たちは攻撃された?」
パタパタとヴェネチアーノが治療によってきたのを制し、日本のほうへ促しながら問う。
「人が、大地を傷つけるからだ」
間髪いれず返ってきた答え。
こちらを見向きもしない。
「崩されるバランスに大地は疲弊している。妖精が消え、森を守るエルフが死ねば・・・枯れる森もでてくるだろう。いやもうすでに大陸でははじまっているかもしれない」
大丈夫だ、とやさしく枝に触れる手とは裏腹にその声は硬い。
「人は・・・そのことに気づきもしないだろうがな」
怒りと、憎しみと。そして悲しみ。
なんとはなく予想していた答えではあった。
それでも、聞いたのはフランス自身の確認のため。
そして、ヴェネチアーノに自覚させるため。
そんないくつかの言い訳が流れたが、真の本音はなんだったのか、
イギリスの声をきいて気づいた。
彼の気持ちが知りたかったのだ。
本当に人間が憎いのかどうか。
答えは、否。
彼は、大地を、森を愛するのと同時に、人も憎みきれていない。
だから、悲しむのだ。
気の毒に、と思った。
ただ、憎むことができたのならば、ずいぶんと楽になれるのだろうに。
ふと笑う。
嘘ばかりだ。
彼が人に対して、憎しみだけ感じているわけではないことを知って、
うれしく思っている自分がいることをフランスは知っていた。
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■勝手にmy設定→大地の不安を人間は感じない。大陸にエルフはいない。
緑の癒し手がいないから、なお不安なわけですね、木々は。
英はソレを知ってるから、極力そばにいようとしているわけです
(まわりには言わないけど)
そしたら、今回はそれがうらめっていうか、木々が暴走して、イギリスを手放したくないって行動を起こしてしまった感じです。
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