絵茶で、お礼代わりに出したものをサルベージ
■ベルフラワー(若フランス)
パラパラと何かが身体に零れ落ちてくる感覚にフランスは目を開いた。
不自然な体制でうたたねしていたせいできしむ体を起こし、首をふれば、パラパラと零れ落ちるなにか。
「花・・・?」
それは小さな釣鐘の形をした青紫色の花だった。
たくさんの花たちが、フランスの上に散らばっている。
「いたずら・・・―― じゃないな」
青紫色を光に透かしながら、ふと一人の存在を思い出して笑う。
「まったく素直じゃない」
親切を無碍にされて、とっくみあいの喧嘩に流れたコトを思い出す。
そのまま嫌な気分のまま別れ、フランスは手近にあった大木で不貞寝を決め込んでいたのだ。
小さな花達をみつめれば、そんな嫌な気持ちも忘れ、心が温かくなる。
「やれやれ」
なんでもないフリをして、家にいってやることにするか。
フランスは軽やかに立ち上がると、イギリスの家に向かって歩き出した。
青き小さな花、ベルフラワーの花言葉は【感謝します】
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