ヘタレ兄ちゃん推奨
ページを進めるごとにどんどんヘタレに・・・。(全4P)
ヘタレ攻オッケd(゚Д゚*)って人だけどうぞ。
夜中のテンションで書いたぬるいエロss
絵茶でおやつ提出していたものをサルベージしました。
折々に、戯れのように贈られる花。
―― 否、なんとはなしに手渡される、花。
それは、薔薇であったり、パンジーであったり、アネモネであったり。
イギリスの知る限り、フランスの国でも花言葉は盛んであったはずなのに、レッドローズやビオラ、パープルのアネモネを手渡してくる彼の心境がまったくわからなかった。
意味などないのかもしれない。
山と抱えた花束の中から、一輪、ついでのように渡されるのだから。
思い出せば、睡眠不足をほのめかされ、カミツレを渡されたこともあった。ハーブとしてではなく、花で渡されたのはなんの嫌がらせだろうか。
「・・・」
アカシア、ニコチア、ジキタリス、ワスレナグサ・・・
乾いてその色と形を失った今でも、渡された当時の姿を思い起こせるとはどういうことだろうか、と、長い年月をかけて少しずつ増えてきたポプリを見つめつつ思う。
・・・本当は、期待している自分がいることを知っている。
手渡された花々はすべて愛の言葉を囁いていて・・・期待する方が無理だ、と逆切れしたいぐらいだ。
むろん、これがとてもとても手の込んだ嫌がらせの一環だったらどうしようと思わなくもないし、そもそも腕に抱えた花束が女性(と、いうか口説きたい相手)に渡すためのものと考えれば、渡された一輪が愛の言葉をもっていてもなんら不思議はなくて。
勝手に浮かれているだけ、と思えば、酷く痛い。
「・・・」
イギリスは窓辺に置かれた鉢へと視線を移して、ため息をこぼした。
赤と緑の対比の美しいアンスリウムが、柔らかな日を浴びて存在を主張している。
先日、二人で道を歩いているとき、たまたま通りすがった花屋でフランスが購入し、そのまま手渡されたものだった。
悪い可能性を考えようもなく、イギリスのために買われたそれは、恋にもだえる心を訴えて止まない。
そして、アンスリウムのもう一つの花言葉は煩悩。
思い当たった瞬間、顔が赤くなったのはイギリスの家がエロ大国だからではないはずだ。
「くそ」
またしても赤くなってしまった頬を押さえつつ、「フランスのバカ」と毒づいた。
花屋での一件以来、イギリスの頭はフランスでイッパイで、夜な夜なアンスリウムが煩悩を囁くものだから、睡眠不足この上ない。
全部フランスのせいだと決定付けて、頭のなかで笑う男を殴りつけた。
「・・・はぁ」
いくら脳内でバカを殴ろうが、状況が変わるわけではなく。
イギリスは深々とため息をつくと、ノロノロと手を動かし携帯を取り出した。
「ぁー、もしもし?夜、飯食いにいっていいか?」
「なに?めずらしいな。別にいいけど」
「おー」
「リクエストは?」
「うまい野菜がくいたい」
「お前は草食動物か。サラダね。はいはい」
「ん。まかせる」
「ぉう。じゃぁ、夜にな」
プチ、と通話を切って、もう一度ため息。
夜までには、この頬の熱が引くだろうかと、ただそれだけが心配だった。
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