■極悪英
絵茶での素敵絵に触発されてでてきた短文。
お題の、「西をいじめる英」がうまくこなせなかったフラストレーションも発散。
極悪達成できなかったのをフランスにぶつけます( ^ω^)
はじめてみたとき。
ゾワリと震えがはしった。
それほどまでに、広大で肥沃な土地だった。
その象徴とも言える男もまた、豊かな美しい金髪をもった美丈夫で、その青い瞳を見たときには、不覚にも心が震えたものだが(イギリスでは滅多にみない空の青だったので)、フランスそのものを見たときの感動とは比較にならなかった。
――欲しい
これほどの衝動を、あの男は知っているだろうか。
きっとしらないだろう。
恵まれた土地と、場所と、立場と、そのすべてを持つフランスという男には。
「兵の準備、そろいました!」
駆け寄ってきた兵卒に鷹揚にうなずいて、イギリスは立ち上がった。
強まってきた風に、バサバサとマントが翻る。
「敵は、フランス。狙うは、ジャンヌただ一人・・・!」
心底欲したものを手に入れかけたその寸前。
流星のごとく現れた魔性に、それを奪われた悔しさをフランスは知るまい。
ならば、それを教えてやろう。
イギリスは薄くわらい、その眼差しを遠くいるだろう白銀の少女とその隣の金髪の男へと向けた。
PR