修羅場中書きなぐりss
修羅場の自分を励ますmy企画 「英にα波出してもらおう」
よりイギリスに大量のα波を出してもらわんがために、猫耳をつけてみました(・∀・)
でも、猫耳でかわいいギリスでもないので、Don't 期待。
朝起きたら、獣になっていた。
「・・・」
思考停止数秒。
イギリスはとりあえず声を出してみた。
「にゃぁ(あー)」
猫の声がした。イギリスは家で猫を飼っていない、すなわち自分自身の声である。
再び沈黙すること数秒。
「にあああああああ!(ブリジットォォォォォ!)」
いたずら好きで、卓越した能力をもつ妖精の名を叫ぶ。
応えはない。どころか、他の妖精すら姿を見せない。
「にー・・・(はあああ)」
ぐたぐた考えていても仕方がなかった。深々とため息をついて、思考を切り替える。
今日はオフであり、誰とも約束をとりつけていないことを確かめて、ホッと安堵の息をもらした。
猫の姿になっていることに不安はない(タチの悪い妖精もいるが、国に対しては論外だ)が、さすがに誰かと会うのは憚られたからだ。
――なら、問題なし。ゆっくりと過ごすか。
そう結論付けて、ベッドから降りたところで、しかし。
「あ?なんだ、いないのか?」
唐突に現れた男に足が止まった。
「ニ゛ァ!?(フランス!?)」
思わず叫んで、しまったと思ったがもう遅い。
「・・・猫?イギリスのやつ、猫飼い出したのか」
ひょいと、腕を伸ばしてきた男に、逃げる間もなく捕らえられる。
「に゛ー!(はなせーっ)」
じたじたとキックをくらわしても、悲しいかな、猫の力ではいかんともしがたく、たやすく抑えられた。
「おー、よしよし。そんなにあばれんな」
「ニ゛ニ゛ニ゛ァ!(あばれるわー!)」
「なんでそんなに、気が立って・・・あー・・・えさ皿空じゃん。腹減ってるのか?」
ちょっとまて、と思った。思わず動きが止まる。
イギリスは猫を飼っていない。
「しかも、えさ袋も空・・・イギリスのやつ」
くどいようだが、イギリスは猫を飼っていない。
だが、ご丁寧にもペット用の皿と空のキャットフードの袋が部屋の隅に置かれているのはいかがなものか。
(なんなんだ・・・)
自分の家の住人であり友人でもある妖精がわからず、イギリスは頭痛がしてくるのを感じた。
頭痛にかまけて、あきれたため息を聞きとがめられなかったのはフランスにとって僥倖だろう。
もしそうだったのならば、腹をすかせた猫のためにえさを作ろうとしているのにもかかわらず本人に力一杯ひっかかれていたにちがいないからだ。
「よし、俺がうまい飯くわせてやるからなー」
よしよし、と大きな手が頭と体をひとなでして、猫の体を離した。
なでる感覚がきもちよかったなんて、絶対気のせいだと思いつつ、
――お前の作る飯だけは、美味いから。・・・ついていってやるよ。
そう一人ごちて、フランスの後を追った。
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ブリジットという妖精はいません(たぶん)
女性につける名前で、『卓抜した能力』という意味が気に入ってつけてみました。
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