またしても、見返しなしのつれづれ書きなぐり文。
米と英。
学ヘタパラレルです。
乙女ギリスとみるか、女体とみるか、ご自由にどうぞ。
さて、2:05につき、就寝!今日はいつもより早い(゚∀゚)
学園の図書館は知識の宝庫だ。膨大な数の書物が収められている。
背の高い本棚がいくつも並んだ書庫にはいくつか脚立が用意されており、自由に使ってよいことになっていた。
「・・・」
イギリスは悩んだ。
目当ての本は、イギリスの頭上にある。
これが、遥か遠くなら素直に脚立を取りにいくのだが、ギリギリ手を伸ばせば届きそうな位置だった。
英国紳士たるもの、無様な真似はしたくない。
中途半端な高さに脚立を使うことを恥とするか、背伸びをしても届かない姿を晒すことを恥とするか。
「・・・」
本をにらみつけること数秒。ここは自宅ではないので、手助けしてくれる妖精がいるはずもなく、当然本は落ちてこない。
ため息を一つはいて、イギリスはあたりを見回した。
誰もいないのを確かめて、ぐ、とつま先に力を入れ、手を伸ばす。
届かない。
僅かに指はかするのがまた神経を苛立たせる。
躍起になって、本をとろうと奮闘していたら、後ろから唐突に声がかかった。
「・・・なにを踊ってるんだい?イギリス」
聞き覚えのありすぎるその声にギクリと体震えて。
「ぁ」
思い切り背伸びをして、不安定な体制をとっていた体はたやすく傾いだ。
倒れる、と思って目をつぶった瞬間、誰かに抱きとめられる。
「本当に何をしているんだい、君は」
あきれ返った聞きなれた声。
けれど、がっしりとした男の腕にはまったく覚えがない。
え、と思って、瞼を開けば、すぐ近くにアメリカの顔があった。
彼は目を細めると、すぐイギリスから視線をそらして、ばかだなぁだのなんだのいいだした。
普段ならば、その一つ一つに反応して言葉を返してやるのだが、それどころではないイギリスがいた。
本を眺めるアメリカの横顔に驚愕していたからだ。
しっかりしてきたあごのライン。
がっりした首筋。
いつのまにこんなに男の顔つきになっていたのだろうか。
気づいてしまった彼の成長振りに内心狼狽していれば、アメリカから再びあきれ返った声が降ってきた。
「どうでもいいけど、重いからどいてほしいんだけどな、イギリス」
その言葉に、いまだアメリカの腕の中にいることに気づいて、あわてて飛び退る。
「な、な・・・っ」
「いっとくけど、俺は君を助けたんだからね。あんまりめちゃくちゃなことはいわないでくれよ。」
絶句しているイギリスにひょうひょうと言葉を放つと、自由になった腕を伸ばし、頭上の本をいともたやすくとる男。
はい、と差し出されたそれは、イギリスの求めていた本だった。
「ヒーローだからね、俺は」
からりと笑いながら、言外に「『君』を助けたわけじゃない」と言い切る自称ヒーローは、いつもどおりのアメリカだったが、それを受け取るイギリスの心境は常のものではなかった。
「と、とってくれなんていってないだろうっ」
「はいはい」
それじゃぁね、と後ろを向いたアメリカの背にすら男の成長を感じてどうしようもなくなる。
自分のそれより随分と広い肩にはいっそ卑怯と思うほどだ。
「・・・ばーか」
苦しくなった胸を本とともに抱えながらつぶやく。
どれだけ成長しても、反発しても、『子供』だと、『弟』だと思っていたのに。
彼はもう一人前の男なのだということに、気づかされた。
一人置いていかれた気分になるのは、ガキ臭いと思いながらも止められない。
「ばーか」
もう一度、アメリカの消えたほうにつぶやいて、イギリスは椅子の方へと歩き出した。
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学ヘタ。
男のつもりでかいていたけど、途中からにょたでもいけそうなことに気づいてすっかり乙女ギリスに。
イギリスの届かなかったところに、背の届く自分に気づいて、「イギリスはいつの間に小さくなったんだろう」とか思うアメリカを書いていたつもりだったのに、なんだか少女小説な米←英フラグになっていた罠。
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