お仕事な内田さんに捧ぐ。工口。
ガリ、と走った痛みに思わず背がのけぞった。
「っ・・・!ふ、らんす・・・っ」
肩口に、また、痛み。
こんなのはキスマークとはいえない。
押し倒されたとき。
内心は嬉しかったのだ。少しは…愛されているかと思って。少なくとも、普段「絶対手なんかでない」と公言しているほどには嫌われていないのかと思って。
けれど。
「っ」
こんなのは暴力だ。
フランスが普段は優しいことを知っている。
それをほんの少しだけ期待したのは、愚かな自分。
無理やり服を剥がれ。
肌にかじりつかれ。
期待した分、ただただ心が痛んだ。
「っぁ」
なにもしゃべらない酷い男。
最近の情勢にあわせて、随分丸くなったと思ったのだけれど、ただ仮初でも侵略したいだけだったのだ、と気づいて、涙がにじんだ。
泣きたくなどない。
こんなバカ相手に泣きたくなどないのだけれど。
「いぎりす」
ただ一言落ちてきたその声に涙があふれて、落ちた。
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